
二層式のマンション・アパート(メゾネット)が設計されるようになったきっかけは、
一般に多く見られる形式の、「フラットフロア」(一つの住戸が同じフロア内にある住戸形式)
の欠点を補うために考えられたことが一番の要因です。京王線のみならず新築及び中古のマンションの
ほとんどでも採用されている「フラットフロア」タイプは、文字通りフラットで、導線も確保しやすく、
一つのフロアで部屋から部屋への移動が便利であるという利点を持つ一方、メゾネットに比べて建物内の
各住戸に個性がなくなりやすく、奥行きのない住空間という欠点があります。そこで居住空間に奥行きと
変化をつけるために考えられたのがメゾネットです。二層式であるため個々人のプライベートスペースと
パブリックスペースが確保できると同時に住空間に変化をつけることができます。例えば玄関スペースのある下階に
リビングを置き、上階に主寝室・子供部屋・浴室といったプライベート空間を展開したり、逆に下階に寝室を置き、
上階にリビングを置くというメゾネットならではの居住空間の展開ができます。もし前者での展開を選ぶなら、
突然のお客様が遊びに来られてもプライベートとパブリックを分けた環境でおもてなしができ、後者の展開を選ぶなら
リビングで子供が遊んでも下の住戸に音の迷惑をかけずに済むというメリットが生まれます。
これが、メゾネットの最大の利点となり、京王線沿線でも二層式のメゾネットタイプのマンションやアパートの需要が増加しています。
「メゾネット」と呼べる居住空間は各階層が「居住」スペースと呼べる基準を満たしていることに加え、
3階建て以上のアパートやマンションであることがもう一つの条件として挙げることができます。
例えば単に二階建ての木造アパートのような集合住宅の場合、一階と二階を一住戸で使う場合はメゾネットとは
異なり「タウンハウス(テラスハウス)」といった呼び方になります。京王線沿線にもこの「タウンハウス」
「テラスハウス」といった形式の物件が点在しています。